私はカウンセラーをしているので保護者や一般方たち、先生たち、管理職の方たちからの相談が持ち込まれます。
そういう中で「がんばっている先生である」「一生懸命とりくんでいる先生です」という言葉をよく耳にします。
「がんばっている」というのは私たち日本人の美徳の一つなのでしょう。
教育の世界では「一生懸命頑張れば必ず成功する」という様な話をよく耳にします。
ほんとうにそうでしょうか。
そもそも〈一生懸命頑張っている〉というのはすばらしいことなのでしょうか?
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よく考えてみると、たとえばストーカーだって一生懸命がんばっているのです。
ああいうことはいいかげんな気持ち、軽い気持ちでは不可能でしょう。
ではそういう人たちにも「一生懸命がんばる姿はすばらしい」と評価するのでしょうか。
恐ろしいことです。
そういう発想は日本人が克服しなくてはいけない思考の一つだと考えています。
管理職が先生たちを「一生懸命がんばっていること」で先生たちを評価することに不安を感じざるを得ません。
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一生懸命がんばっている相手側、つまり子どもたちがその先生をどう評価しているのか、それがもっとも大切です。
パワハラ教師だって一生懸命がんばっているから、そんな過激なことができるわけです。けれどパワハラが評価されていいわけはありません。
その方法が正当に評価されるのは、がんばっている姿ではなく、その目標とするものがどうなっているのか、その結果で判断しなくてはいけません。
そういうことを考える今日この頃です。